みなさんこんにちは。

本日もモダクロ裏話をお届けします。今回は赤レンガに白いストライプの装いが印象的な、京都文化博物館別館、辰長三銀さんの衣装についてご紹介します。

衣装のポイント

三銀さんの衣装には、建物のおよそ30の装飾や要素が反映されています。その中でも大きな特徴2つをご紹介します。

1. 辰野式建築の特徴

辰野建築の有名な特徴、赤レンガと白ストライプを取り入れることはもちろん、全体を「基壇・胴体・屋根」の三段構成にし、意匠の模様や豪華さで他のタテモノたちよりも外観がそのまま衣装になっています。すごく重たそうですよね。

また、三銀さんがつけている蝶ネクタイには、辰野金吾がかけていた眼鏡の形をモチーフにした装飾が付いています。辰野式建築は全国に多数存在するため、三銀さんがタテモノとして生まれた時から、「辰野が手がけた建築を兄弟として登場させたい!」という意見がありました。そのため、建築そのものだけでなく、辰野金吾自身の要素が入れ込まれています。

2. 銀行建築としての堅牢さと、博物館としての姿の両立

コートを纏うと、公共の建物らしい堂々とした姿。一方で、コートの下は内観の要素を入れつつ、シャツ・ベスト・手袋をまとって、他のタテモノたちと比べてもかっちりした装いですね。芸術性を連想させるベレー帽も相まって博物館の要素を表現しています。

コートを脱いだ姿は、アプリ内で三条通コースをすべて聴くと、見ることができるようになります。

衣装の秘密

インバネスコート

三銀さんが纏っている重そうなコートは、辰野式建築がイギリスの「クイーン・アン様式」を基にしていることから、イギリスで建築当時に着られていた、インバネスコートをモチーフにしています。

ちなみに制作の裏話ですが、他のタテモノも同じですが、衣装が考案される際は、建物の写真から模様として使う部分を図形におこしパーツ素材を作り、衣装に落とし込んでいました。パーツ素材のおかげで描きおこしの作業が捗ったそうですよ。

建物の写真から衣装に使う模様の書き起こし

兄弟の装いについて

大阪のタテモノ、辰岡公くん(大阪市中央公会堂)も、三銀さんと同じ辰野式建築なので、似た模様の重そうなコートを羽織っていますね。実は、三銀さんはレンガを積み上げて作る煉瓦造、公くんは鉄骨で枠を作ってから壁をレンガで埋める鉄骨煉瓦造で作られているという違いがあります。

雰囲気は似ている2人のコートですが、細部の異なる部分に注目してみてくださいね。

最後に

以上、辰長 三銀さんの衣装についてご紹介しました。次回もぜひお楽しみに!

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